Alien Boy / You Wanna Fade?

Genre: Alt RockPower PopArtist: Alien Boy

2022年の『DON’T KNOW WHAT I AM』で純粋無垢なオルタナティヴ・ロック愛を炸裂させたUSポートランド拠点のALIEN BOY。3年振りとなる新作『YOU WANNA FADE?』も可憐に舞う淡いオルタナ乱れ打ち状態!

FOUNTAINS OF WAYNEやOASISの持つスタジアム級ポップセンスと厚い演奏をしっかり継承している本作。リーダーSonia Weberのソングライティング能力が更に拡大し、シューゲイザー的儚さも入れながら胸に迫るパワー・ポップをこれでもか!と打ち込んできます。アルバムを集約するシングル”Changes”の破壊力はピカイチ! 聴いた者をエモーショナルまみれにする足跡を絶対に残して行く2025年最強盤か!? (Haru)

Influences

Third Eye Blind / Smashing Pumpkins / The Smiths / The Cure / Wipers(いずれも本人の発言から)

Release Info

  • Year2025
  • LabelGet Better Records
  • FormatLP

SS Report

概要

オレゴン州ポートランドのバンド、Alien Boy の3作目のフルアルバムです。2025年5月9日に Get Better Records からリリースされました。『Sleeping Lessons』(2018年)、『Don’t Know What I Am』(2021年)に続く作品で、前作からは4年ぶりです。

通常盤は全12曲で、表題曲「You Wanna Fade?」で終わります。2025年の夏に、4曲を加えた16曲の版も出ています。LP は12曲、CD は16曲です。

メンバーは Sonia Weber(ボーカル、ギター)、Caleb Misclevitz(ギター)、A.P. Fiedler(ギター)、Derek McNeil(ドラム)です。Fiedler は2022年に加わりました。

制作

録音には、合わせて約30日がかかりました。最初の10日ほどはシアトルの HMS スタジオで、残りはバンドの家で仕上げています。過去の2作は、それぞれ5〜6日で録音していたそうです。

ギターとベースの録音は Phil Jones(Supercrush)、ドラムの録音は Andy Rusinek、ボーカルやオーバーダブの録音はメンバーの Caleb Misclevitz です。追加のプロダクションに Nathan Tucker(Strange Ranger)、ミックスとマスタリングに Jack Shirley が参加しています。

曲作りは、2022年秋の5日間の合宿から始まりました。18曲を書いて録り、そこから絞っています。録音が終わったのは2024年3月です。

冒頭のインスト「Scrub Me Clean」は、最後にできた曲です。Nathan Tucker が、すでにあった録音の素材から組み立てました。

シングル・代表曲

  • Changes(先行シングルの1枚目)
  • Pictures of You(先行シングル)
  • I Broke My World(先行シングル。2025年5月)
  • Another Brand New Me / Everything Stays / Rhythm of Control(レビューで挙がる曲)

本人の発言

  • Sonia Weber は、いちばん立ち返るレコードである Third Eye Blind の1作目と、Smashing Pumpkins『Siamese Dream』を見つめ直し、あの壮大さと奥行きを捉えたかったと話しています。(Northern Transmissions 掲載のコメント)
  • Weber は、何が売れるか、いま何が格好いいかという圧力は退けて、作品がどうあるべきかをじっくり探りたかったと語っています。(Stereogum、2025年)
  • 曲の半分は大きな別れの前に、残りはそのあとに書いたそうです。途中で、今の生活のままではこの作品を完成できないと感じ、生活を変えてから仕上げたと Weber は話しています。(Stereogum、2025年)
  • Weber は、参考用のプレイリストを作ったそうです。M.I.A.「Bad Girls」も入っていて、音が似ているかどうかではなく、感触を目指したと話しています。これがドラムマシンやシンセの導入につながりました。(Stereogum、2025年)
  • Caleb Misclevitz は、以前は録って渡してミックスしてもらうだけだったが、今回はデモと版を重ね、聴いては直したと話しています。(Stereogum、2025年)
  • Weber は、当初は「I Broke My World」を1曲目にしたかったそうです。Nathan Tucker が、Smashing Pumpkins『Mellon Collie and the Infinite Sadness』の導入に着想を得たインストを作り、それを聴いて納得したと語っています。(The Big Takeover、2025年)
  • ギター3本の役割分担についても話しています。Weber が土台の質感、Misclevitz がフックのあるリード、Fiedler がソロやノイズだそうです。(The Big Takeover、2025年)
  • Weber は、歌詞は計算ではなく直感で書くと話しています。The Smiths や The Cure に由来する劇的さは残るが、10代のような失恋の感覚とは距離ができたそうです。(The Big Takeover、2025年)
  • 「パワーポップ」という呼び名は曖昧だと認めつつ、受け入れているそうです。メロディが届いている証でもある、と Weber は話しています。(The Big Takeover、2025年)
  • バンド名は、Wipers の曲「Alien Boy」から取られています。アルバムタイトルの由来についての発言は、今回は確認できませんでした。

評価

長めのレビューは多くありません。しっかり読めたのは2本です。

  • Portland Mercury(Robert Husseman、2025年):不安や恐れに向き合い、内省的な歌詞と動きのあるギターで感情の旅を描き切った作品、としています。音は使い込まれたようにざらついていて、20年ほど前のギターレコードを思わせる懐かしさがあるとも書いています。
  • Spectrum Culture(Holly Hazelwood、2025年):刷新ではなく、磨き込みの堅実な作品としています。夢見心地のギターポップと、切実なポップパンクの融合がうまいと評しています。「Rhythm of Control」には Slowdive を、ほかに American Football を引き合いに出しています。留保は、既存の型を崩していないことと、プロダクションがもっと強ければ聴き手が広がるだろうという点です。
  • KEXP(Chris Sanley、2025年の短評):力強く耳に残るパワーポップ集としています。フック、轟音のギター、情感のある歌詞を評価しています。
  • Stereogum(2025年、「I Broke My World」の紹介記事):Smashing Pumpkins と Third Eye Blind の影響を指摘しています。
  • Get Better Records(レーベルの紹介文):Wipers の生々しい力と、Oasis や Third Eye Blind のようなポップさを併せ持つ、と紹介しています。これは評価ではなく、レーベル自身の説明です。

出典

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