Hotline TNT / Raspberry Moon

Genre: Alt RockShoegazeArtist: Hotline TNT

(ここに感想を書きます)

(Haru)

Influences

Third Eye Blind / Primal Scream / Ride(いずれも本人の発言から)

Release Info

  • Year2025
  • LabelThird Man Records
  • FormatLP

SS Report

概要

ニューヨークのバンド、Hotline TNT の3作目のアルバムです。2025年6月20日に Third Man Records からリリースされました。『Nineteen in Love』(2021年)、『Cartwheel』(2023年)に続く作品です。全11曲、約35分です。LP、CD、カセットで発売されました。

メンバーは Will Anderson(ボーカル、ギター)、Lucky Hunter(ギター)、Haylen Trammel(ベース)、Mike Ralston(ドラム)です。

制作

これまでは Will Anderson がほぼひとりで作っていましたが、今回は初めて、4人のバンドで録音しました。プロデュースは Tenement の Amos Pitsch です。

Anderson によると、4人がスタジオを共有した7日間でできたアルバムだそうです。打ち込みではなく、生のドラムを使ったのも初めてです。録音した場所の詳しい情報は、確認できていません。

制作中の話もいくつか残っています。冒頭の曲の導入からドラムを抜く案は、ベースの Haylen Trammel の提案でした。最後の曲「Where U Been?」は没になりかけましたが、Trammel がデモから救い出したそうです。「Dance the Night Away」は、速い曲からバラードに作り替えられました。

発売後の2025年8月に、バンドはこのアルバムを含む音源を Spotify から引き上げると発表しています。

シングル・代表曲

  • Julia’s War(2025年4月。アルバムの告知と同時に公開)
  • Candle(2025年4月)
  • Break Right(2025年5月)
  • The Scene / Was I Wrong? / Where U Been?(レビューで挙がる曲)

本人の発言

発言はすべて Will Anderson のものです。ほかのメンバー本人の発言は、見つかりませんでした。

  • Anderson は、ツアーのメンバーが録音に参加したのは今回が初めてだと話しています。スタジオで時間を多めに取ったので、ひとりでは起きなかった形に曲が変わっていったそうです。(NPR、2025年)
  • ギターの重ねは、以前の1曲12本以上から、6〜8本ほどに減らしたそうです。それでも、歪んだギターが音の核であることは変わらないと話しています。(NPR、2025年)
  • Anderson は、いまは安定した幸せな関係の中にいて、歌の中身は失恋から、関係を祝う方向へ移ったと語っています。(NPR、2025年)
  • 出発点は、これまでどおり自分で作るデモだったそうです。「Candle」はほぼひとりで作り、「Break Right」と「The Scene」はスタジオで4人で書いたと話しています。(Consequence、2025年)
  • 曲の75〜80%は自分のデモから始まり、メンバーが解釈して肉付けしたそうです。(Post-Trash、2025年)
  • タイトルの意味は、深く説明しないようにしているそうです。聴き手が好きに受け取ってほしいと話しています。(Post-Trash、2025年)
  • Anderson は、自分にとってこれは「ラブアルバム」だと話しています。別れではなく恋の始まりを軸に、家族や友情も扱っているそうです。(Spill Magazine、2025年)
  • 影響源として、ギターの音作りは Limp Bizkit の Wes Borland、ソングライティングは Third Eye Blind、リフは Primal Scream や Ride を挙げています。(Spill Magazine、2025年)
  • 共同作業には難しさもあったそうです。意見が割れたときは自分が最後に決めるが、結果は4人の中間に落ち着いたと話しています。(The Needle Drop、2025年)
  • Mike Ralston の生のドラムが作品を引き上げた、と Anderson は語っています。(The Big Takeover、2025年)
  • アルバムの告知のときには、シューゲイズの界隈がやれなかったこと、つまり声を前に出して直球のフックを書くことに踏み切った、とコメントしています。(The Line of Best Fit、2025年)

評価

  • Treble(Greg Hyde、2025年):『Cartwheel』が導入した明るく自信のある音を、厚いバンドサウンドで深めた作品としています。初期の Cloud Nothings や Teenage Fanclub を引き合いに出しています。留保は、「Dance the Night Away」と「Lawnmower」の編曲が重たいことです。
  • Clash(James Booton、2025年):ファズに包まれた希望の表明としています。バンド全員での初めての録音が、音の奥行きを増したと評しています。
  • Glide Magazine(2025年):グランジの色のあるロックに、ポップな魅力を散らした作品としています。「The Scene」に Smashing Pumpkins を重ねています。
  • Atwood Magazine(Liz Costello、2025年):シューゲイズの質感、スラッカーロックの機知、パワーポップのフックを両立させた、としています。

ここから下は、集計サイトの抜粋で確認したものです。各誌の本文は読めていません。

  • Pitchfork(Sue Park):これまででいちばん磨かれ、野心的な作品という評です。
  • Rolling Stone(Will Hermes):90年代初めのノイズを、自分流にひねったものという評です。
  • The Guardian(Stevie Chick):Anderson が心を開き、表現の幅が広がった3作目という評です。
  • Paste(Camryn Teder):驚くほど楽観的で、ざらつきがあり温かいという評です。
  • DIY(Millie Temperton):もう少しまとまりがほしかった、という留保のある評です。
  • 年間ベスト(2025年):Uproxx、Rough Trade、Treble、Consequence、Stereogum などの年間リストに入っています。

出典

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